昭和9年から続くフェルマイト加工のパイオニア、株式会社大阪フェルマイト。

事業内容 事業内容

事業内容

フェルマイトの処理法

鉄鋼製品は各種の成型加工により、その製品面に油、よごれ、錆等の汚染物質が付着しており、これらを完全に除去することは一般の表面処理と同じと考えて欲しい。

清浄化した鉄鋼製品をフェルマイト液に浸漬し、その表面に防錆被膜四三酸化鉄(Fe3O4)と酸化第二鉄(Fe2O3)を形成するためのものである。この被膜は、鉄鋼表面より、素地内部に浸透する薄い被膜となり、空気中で安定にして硬く、鉄鋼製品の素地の厚さが変わらぬことである。しかし、四三酸化鉄の結合体被膜であっても長時間放置するとピンホール(素地を含む欠陥)の為、結晶粒子間より水分の浸透があり発錆してくることがある。したがって適当な密着操作を施すのである。即ち用途により、植物系防錆油(水置換剤処理)によるシール及びピンホール中の水分と油の置換により仕上げることを一般的にフェルマイト処理と呼んでいる。

フェルマイトの特徴

  • 被膜の厚さは2~3ミクロンで寸法に変化を与えませんので、精密機械部品の防錆に最適です。
  • 表面は緻密で平滑であり、黒色光沢の美麗な肌合いをしています。
  • 地金の鋼鉄と同一硬度であり、密着性が強いので衝撃や摩擦に対する抵抗が大であり、比較的無理と思われる加工にも充分耐えられます。
  • 処理温度が低い(140~150℃)ので、材質に対する影響はありません。
  • 酸化鉄でありますので約500℃までの熱に耐えます。
  • 塗膜の物理的密着力が良く剥離を起こさせません。
  • 被膜の表面は、油の吸収力が大で防錆油を多量に保持し、化成被膜と防錆油の相乗作用により長期間にわたり防錆することが出来ます。
  • 作業中に有毒ガスが発生せず、廃水処理も簡単で公害の心配がありません。

フェルマイト被膜と酸性被膜との比較(鉄鋼素材)

項目 フェルマイト被膜 他社の被膜
外観
  • 製品の面を荒らさない。
  • 黒又は濃紺にて美麗。
  • 製品の面を荒らす。
  • 灰色、瓦色で美しくない。
防錆力
  • 防錆力、耐蝕性は前後処理により異なり、耐アルカリ性には優秀である。
  • 塗装の方法次第にて相当の防錆力をうることができる。ボンデライジングは耐アルカリ性に乏しい。
製品の形式に及ぼす影響
  • 製品の形状、寸法に変化を与えず、このためボールナットを初めゲージ、ボールベアリング等に最適。
  • 多少寸法に変化を来たす。そのため寸法精度がでない。
商品価値
  • 商品価値を高める。
  • 商品価値を下げる場合が多いむしろ塗装下地用。
膜厚及び硬度
  • 2ミクロン程度、但し均一。
  • 硬度は高く密着性も良好、即ち薄板を加工、屈曲するも変化なく摩滅には強い。
  • 被膜が厚く、寸法変化を生ず。
  • 硬度は軟らかい。
加工費
  • 加工費は低廉
  • フェルマイトより高い。

※左右にスライプして動きます。

フェルマイト被膜生成の所要時間は極めて短く能率的であり、生産向上、企業合理化に役立ちます。永年使用中、万一膜上に錆が浮揚点在することが生じました場合、油を含んだ布で拭いますと奇麗に除去されて、元通りの美麗な肌に復す特徴を具有しています。

製品写真

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加工前

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加工後

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加工前

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加工後