はじめに
現代の文化は金属なしには成立しない。たとえば、プラスチックが金属使用の分野に進出してもそれが全般に替わることはありえない。金属は人類にとって大切であることは周知の事実である。ところが実用の形ある金属体(金属材料)は、その状態が一般に不安定であり、表面と接する環境中の物質との化学変化により、金属体の姿を失い消耗(腐食)する性質があり、これが金属使用上、人類に弊害をもたらしている。
株式会社大阪フェルマイトでは昭和9年より鉄鋼製品の腐食、防蝕に取り組み続け、防錆力、黒色美観、表面からの浸透被膜化、硬度の維持、水素脆性防止、寸法維持、表面の粗面化防止から比較的安価に処理するプロセスを確立し今日に至った。
フェルマイト技術の確立
鉄鋼製品の表面防錆、防蝕処理に関する研究は、20世紀初期に英国、独国等の諸外国において始まり、1906年英国のT・W・Cosletteは燐酸被膜の特許を獲得し、今日の燐酸塩被膜の先駆をなし、以後Parkerizingの名称で広く使用されている。
それらの改良法として、Coslette法のBonderizingも古くより実用化されている。しかしこれらの方法は強酸制溶液を用いるため、鉄鋼製品への浸食と表面の粗面化という問題があり、寸法精度の変化は大きく、塗装の下地的要素が強くだされた。
しかも強酸性溶液中での処理では当然水素脆性を起こす欠点がある。一方強アルカリ溶液は酸性溶液の欠点を解決するため、独国において研究され、広く使用されるようになった。
こうした上述の技術にもいろいろ長短があり、化成被膜は酸性、アルカリ性を問わず、化性被膜自体の美観、耐薬品性をあわせた使用(塗装下地でない)の要求も高まり、日夜研究の結果、強アルカリ性溶液による化成被膜の利点を改良し、優秀な防錆、防蝕効果のあるフェルマイト技術を完成したのである。
即ちフェルマイト技術は、Parkerizing及びBonderizingと異なり、鉄鋼製品の寸法精度に変化がなく、表面が粗面化されずに光沢のある鮮やかな黒色又は濃紺を基とする美観仕上げであるとともに、銃や剣に利用され、戦後はカメラの精密加工部品の表面処理をはじめ機能化表面処理技術として広く愛用されている。特にrust-prooftreatmentとして米軍では兵器の防錆に利用し、MIL-C-13924に規定されている。
会社概要
- 名称
- 株式会社大阪フェルマイト
- 代表者
- 代表取締役社長 内田 安彦
- 所在地
- 〒579-8025 大阪府東大阪市宝町20-26
- 電話番号
- 072-981-7878
- FAX番号
- 072-981-7080
アクセス
大阪府東大阪市宝町20-26